2014年6月19日

刑事訴訟法222条1項の読み方

「捜査機関による捜索・押収・検証に刑訴法222条1項で準用される刑訴法99条以下の各条文については、極めて重要であるにもかかわらず、理解を疎かにしている者もまま見受けられる。改めて、準用される各条文に関する理解の重要性を強調しておきたい」(角田雄彦 司法試験の問題と解説2013 296頁)。


とはいえ、刑訴法222条は読みにくい。なぜ読みにくいか。それは、準用する条文を最初に書いているからです。

条文そのまま


222条1項はこのように定めます。
 第九十九条第一項、第百条、第百二条から第百五条まで、第百十条から第百十二条まで、第百十四条、第百十五条及び第百十八条から第百二十四条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条、第百十一条の二、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証についてこれを準用する。ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。

改善その①


何について準用するのかを強調してみます。
 第九十九条第一項、第百条、第百二条から第百五条まで、第百十条から第百十二条まで、第百十四条、第百十五条及び第百十八条から第百二十四条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条、第百十一条の二、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証についてこれを準用する。ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
ちょっと分かりやすくなりましたね。

改善その②


これをひっくりかえします。すると、222条1項は、こんな感じになります(本文のみ)。

  • 検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索については、第九十九条第一項、第百条、第百二条から第百五条まで、第百十条から第百十二条まで、第百十四条、第百十五条及び第百十八条から第百二十四条までの規定を準用する。検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証については、第百十条、第百十一条の二、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定を準用する。 

改善その③


さらに読みやすくすると、こんな感じ。

  • 検察官、検察事務官又は司法警察職員がする押収又は捜索については、第99条第1項、第100条、第102条から第105条まで、第110条から第112条まで、第114条、第115条及び第118条から第124条までの規定を準用する。 
  • 検察官、検察事務官又は司法警察職員がする検証については、第110条、第111条の2、第112条、第114条、第118条、第129条、第131条及び第137条から第140条までの規定を準用する。 

改善その④


さらに分かりやすくすると、こんな感じ。

捜査機関の押収・捜索には、
  • 99条1項、100条、102条から105条、110条から112条、114条、115条、118条から124条まで
を準用する。

捜査機関の検証には、
  • 110条、111条の2、112条、114条、118条、129条、131条、137条から140
を準用する。

以上です。

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