フルペイアウト方式のファイナンス・リース契約は担保?
「リース会社は、契約締結時にユーザーに対して与信した総リース料債権相当額について、ユーザーの信用状態が悪化したときにはリース期間満了前にリース物件の返還を請求することができるとの約定によって、これを担保されているもの」。
「リース会社は、リース料債権を被担保債権とする担保権(別除権)を有するものとして処遇されると解する(いわゆる担保的構成)」。
担保の目的は?
「ユーザーの有するリース物件上の利用権」。
担保の実行方法は?
「担保目的物である利用権をユーザーからリース会社に移転させること」。
または、リース契約の解除(解除によってユーザーから利用権を奪うこと)。
借主の信用状態悪化の際には貸主は無催告でリース物件の返還を求めることができる旨の特約がある場合には、この特約の行使。
リース物件の返還請求は担保権の実行ではないの?
別除権の行使によるものというよりは、別除権の行使によってリース会社に物件の完全な所有権が実現し、この所有権によるものと考える方が正確。
なので、返還請求自体は、取戻権の行使。
(以上)