2013年9月5日

答案を書きあげるために必要な能力

法律を勉強している方にとっては、司法試験や公務員試験、定期試験など、論文式試験を課されたり、あるいは、報告書等の提出を要求されることが多くあると思います。

制限時間内に論述を書きあげるためには、どのような能力が必要なのでしょうか。

論述に高い評価を得られるためには、どのような能力が必要なのでしょうか。




結論から言えば、それは、「『白黒つける必要のない論点は棚上げにする』能力であり、また、『白黒つけるべき論点はできるだけ少なくするよう事実を認定していく』能力」だと思います(松宮孝明論文式試験の問題と解説 刑事法編 2006~2011年 (司法試験 論文式過去問シリーズ)215頁)。

松宮先生は、この能力を獲得するためには、「まずは、刑法の総論と各論に関し、網羅的に基礎的な知識を身につけること」が必要といいます。なぜなら、これがないと、考える材料がないため、そもそも考えること自体ができないからです。また、この能力は、「教員との対話から盗み取るべき能力である」とおっしゃっています。

それが不可能であれば、自分でトレーニングするしかありません。練習です。反復練習あるのみです。良い練習法をご存知の方いらっしゃいましたら、ぜひご教授願います。

事例問題にあたると、さまざまな論点が浮かび上がってくるのがわかります。知識量が多ければ多いほど、触れることのできる論点の数は増えるでしょう。

しかし、そのすべてを論じていては、答案を書きあげることはできません。仮にそのすべてを丁寧に論じても、決して評価は高くありません(多分)。採点者や報告を受ける人がそれを読めば、「何でこれを細かく論じたの?結論を左右しないでしょう?知識をひけらかしたいだけのでは?」という感想を持つことでしょう。

だからこそ、白黒つけるべき論点とそうでない論点とを、事案に即して切り分ける能力が必要なのです。

頑張りましょう(頑張ります)。

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