2014年4月19日

条例の法律適合性が問題になる場面‐徳島市公安条例事件

単なるメモ。

ここでの問題は、条例で制定できる事項は何かではなく、法律と条例の規制が競合するとき、それが許容されるか否かです(両者の違いについて、芦部(4版)353頁~、立憲主義と日本国憲法(2版)362頁~参照)。

なぜ条例の法律適合性が問題となるのか。それは、条例は「法律の範囲内」で制定することが許されているので(憲法94条)、法律の範囲を超える条例、すなわち法律に適合しない条例は憲法違反だからです。この場合、条例は無効となります。

条例の法律適合性は、法律と条例の「対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによって」判断されます(最大判昭和50年9月10日刑集29巻8号489頁・百選Ⅰ88事件。徳島市公安条例事件)。

条例の法律適合性が問題になる場面は、以下の通り(宇賀克也地方自治法概説(5版)190頁~参照)。

①上乗せ条例


国の法令に基づいて規制が加えられている事項について、当該法令と同一の目的でそれよりも厳しい規制を定める条例のこと。

②裾切り条例


法令で一定規模または一定基準未満は規制対象外としているときに、その裾切りされた部分を規制対象に含める条例のこと。上乗せ・横だしの一種。

③横出し条例


国の法令と条例が同一目的で規制を行う場合において、法令で規制が加えられていない項目について規制する条例のこと。

④上積み条例


規制を上乗せするのではなく、給付を上積みする条例のこと。

⑤かきかえ条例


法律が全国一律に定めている事項を変更する条例のこと。

以上です。

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