2014年1月18日

公訴棄却と免訴

どちらも形式裁判です。訴訟条件を欠くときになされる裁判です。

違いは、

  • 公訴棄却=形式的訴訟条件を欠く場合
  • 免訴=実体的訴訟条件を欠く場合
です。

公訴棄却には、判決と決定の場合があります(刑事訴訟法338条と339条)。訴訟条件を欠くことの発見が困難であるかどうか、その事由が比較的重大であるかどうかによったものです。訴訟条件を欠くことの発見が困難である(その事由が比較的重大である)ならば、口頭弁論によるべきであり、したがって「判決」によって公訴を棄却しなければならないとされました(338条)。

339条の場合は、訴訟条件を欠くことの発見が容易(その事由が比較的軽微)であるため、口頭弁論を経る必要がなく、「決定」で公訴を棄却します。

公訴棄却の裁判には実体的確定力がないため、訴訟条件が備われば同一事件で再び裁判を受けます。

実体的訴訟条件を欠く場合は、免訴の判決がなされます(337条)。免訴の判決は一事不再理の効力を有します(憲法39条)。確定判決を経たとき(刑訴法337条1号)、犯罪後の法令により刑が廃止されたとき(同条2号)、大赦があったとき(同条3号)、時効が完成したとき(同条4号)に免訴の判決がなされますが、これらは公訴権の消滅を表すものであるからです。公訴権が消滅したことにより、もはや訴追されない期待を抱きますから、後に公訴権が復活し再度裁判を受けるおそれはないとしなければならないからです。

今日は以上です。

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