2014年1月25日

【相隣関係】根は切ってイイ。枝は切っちゃダメ。

お隣さんちから庭木が伸びてきた場合です。

民法233条は、1項で「隣地の竹木のが境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を削除させることができる」と定め、2項で「隣地の竹木のが境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」と定めています。

その理由。

枝の切除請求について(233条1項)。


お隣さんの庭木が伸びてきた場合、お隣さんの庭木によって自分の土地の所有権が侵害されていますから、妨害排除請求できます。所有権に基づく妨害排除請求です。通常、妨害排除の方法は侵害者に任されますけれども、233条1項は「切除」の請求をすることができることを特に定めているのです。方法をとくに指定しているものです。

枝は切っちゃダメ。

根の切除について(233条2項)。


所有権は物を自由に使用・収益・処分できる包括的物権です(民法206条)。物権の王様。地上権や先取特権、抵当権などの制限物権は、所有権の一内容を有している権利です。他人の所有に係る物を壊すことは所有権侵害で不法行為を構成しますし、器物損壊罪になります。他人の物を壊してはいけないのです。

しかし、境界線を越えてきた庭木の根は勝手に切除してよいことになっています。伸びてきたのが枝である場合、その枝が建物等に接触しても壁が壊れたりすることはまずありませんが、根である場合は基礎部分に亀裂が生じるなどのおそれがあり、ひいては建物の損壊につながる可能性もあります。小さな草でもアスファルトを持ちあげて芽を出します。このことから分かる通り、伸びてきたのが根である場合は排除する緊急性が大きいといえます。

ゆえに根は切ってイイ。

以上です。

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