2014年2月17日

【刑法】答案を「書ける」ようになった後は、「できる」ようになるための勉強方法として、事例問題を作るのも有効だと思う

教科書・判例集を読み、刑法理論の骨格を掴むことができれば、形としては刑法の答案になります。なので、刑法は一番早く答案が「書ける」ようになる科目といわれます(参考:刑法答案の書き方)。


経験的な感想を言うと、事例問題の答案が「書ける」ようになると、自然とその科目は「できる」ようになると思います。民事系や公法系の科目(とくに民法などの実体法)では、事例から要件事実的な主張整理をすることができれば、その事例に含まれる論点を発見することができ、問題の所在を的確に指摘した上で論証して事案の解決を示すことができるようになります(参考:民法答案の書き方)。法律の理解が進むことと、事案の解決ができることとの相関が強いです。「書ける」なら「できる」し、「できない」なら「書けない」ので勉強しやすいと思います。

ですが、刑法は「書ける」ようになるのと「できる」ようになることの間に質的な差異があるように思えます。私は「書ける」ようになっても、「できる」ようになりませんでした。単に勉強方法・勉強に対する姿勢が悪い、勉強量が足りないだけの可能性も大いにあるのですけれども、あえてそれを除外して考えると、刑法(刑事系)の特性として、純粋な理論の側面が強いからだと感じています。刑罰は自由や財産を制限するものですから、刑法には強い正当性が要求されます。刑法理論には論理的な強さが求められるのです。「現実がこのようになっているから理論をこのように考えよう」という姿勢は頻繁に目にしますけれども、刑法では「理論が正しいから事実に適用できる」ことがより強く求められるといってよいでしょう。

ですので、刑法に対しては「書ける」ことと「できる」ようになること間に質的な違いを感じています。この違いを埋めるには、事例問題を「解く」のと同時に、事例問題を「作る」のが有効かもしれません。民事系科目では「書ける」ようになれば、簡単な例題のようなものは自然と作れるようになりましたが、刑事系科目では「書ける」ようになっても作れないからです。試してみようと思います。

まあ愚痴です。以上です。

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